所属カウンセラーの岩村です。
先週から茶道稽古を月・水・金としました。

そして今日は長板茶通箱の薄茶点前の後半部分の御道具拝見を習いました。
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お茶席では点前の最後に使用した茶道具を披露する時間があって、御客の方に向けて茶道具を並べます。

茶通箱の場合は棗と茶入の両方を使うので、その両方を見せると共に、茶杓と茶通箱も見せます。

置く位置、置く順なども決まっていて、やかましいといえばやかましいのですが、この流れを体得して点前を自然と出来るところを目指します。


半ば理想ではありますが、一挙手一投足に全身全霊を注ぎ、点前と一体となるところを目指す。

点前のもつ美しさとは、そうなった瞬間に眩しい輝きを放つのだと思います。


床の間に飾られた花は灸花。
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灸花と書いて「ヤイトバナ」と読みます。

花の中心部の紅紫色がお灸をすえた痕の色に見えるので「灸花」と呼ばれるそうですが、花冠の部分を舐めて手や顔に貼り付け、子供たちがお灸遊びをしたことに由来するとの説もあります。


花は夏に咲き、秋には黄褐色のパチンコ玉のような丸い小さい果実が沢山つけます。

独特の臭気を持つことから屁糞葛(ヘクソカズラ)とも呼ばれます。

この臭いの正体は「メチルメルカプタン」という成分で、虫の食害から身を守る手段と考えられているそうですが、葉には虫食い痕も見られます。

虫はそういう成分が含まれる植物を食べることで、体内にその成分を取り込んで、外敵から身を守っているんですね。

生の果実を潰したものは、民間薬として古来から虫刺されや霜焼けの薬としても使われてきた歴史があります。


それぞれに由来があり、一方は見た目から。もう一方は臭いから。

捉え方によって違う名がついた花。


僕ら人間も捉え方を変えると、

美しくもあり、醜くもあるのでしょうね。