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所属カウンセラーの清田直芳です。


前回、ガッカリする気持ちの背景にある、期待と失望の関係について書かせていただきました。


ガッカリって、どうしてするんだろう?


今回はその続きとして、期待と失望との付き合い方について書いていきたいと思います。


この期待というものですが、言葉の意味を調べるとこのように出てきました。



きたい

【期待】

1. 《名・ス他》 ある人がそれをするのを(他の人が)あてにし、心待ちに待つこと。将来それが実現するように待ち構えること。


言葉の正しい意味は上記のようになっていますが、言葉をどのように捉えるかは人により大きく違いがあります。


個人的には、「未来の自分に期待する」というような表現の仕方でも、待つというような受動的な印象を持たないのですが、分解すると「期を待つ」となるので、やはり受け身な状態をさす言葉なのでしょうね。


今回は、自分自身に対する期待の良し悪しは置いておいて、「他人」などの自分がコントロールできないものに対して抱く、期待と失望との付き合い方について書いていきます。


前回の話を要約すると、自分がコントロールできないものへの過度な期待は、その期待を裏切られた時にガッカリ(失望)するので、気をつけた方が良いですよ。

という話でした。


まず、この期待というもののメリットについて考えてみたいと思います。


期待をするということは、ポジティブな未来を想像することですから、そこにエネルギーが生まれます。


家族やパートナー、友人など、喜んでもらいたいという気持ちが原動力となって、頑張った経験は多くの人があるんじゃないでしょうか。


どのような感情もエネルギーになりますから、期待をモチベーションに頑張るのは、場合によってはアリだと思います。


しかし、期待して頑張った結果、期待通りにならないことは数多くあります。自分の気持ちが相手に伝わらない場合もありますし、それが相手の望んでいないこともありますから、それは仕方のないことです。


そのようなことが続いてしまうと、「期待しても、失望するかもしれないから、期待はしないでおこう」という結論になるのも仕方がない部分もあるでしょう。


ネットで検索しても、「期待=してはダメなもの」という意見も見受けられます。


もちろん、勝手に期待をしておいて、期待通りにならなくて不機嫌になるようなことは、あまり良いことだとは思いません。


しかし、だからと言って期待という感情を全否定することには、違和感があります。


どのような感情であっても、それがポジティブにもネガティブにも働くことがあり、要は使い方次第ではないでしょうか。


以前の私も特定の感情に対して否定的でした。具体的には、「怒り」「嫉妬」といった感情です。しかし、そのような感情にももちろんメリットがあります。


「怒り」で言えば、平和な世の中であればマイナスになってしまうことが多いかもしれませんが、死ぬか生きるかという世界では、相手を倒して自分の命や仲間などを守る為のエネルギーになります。


好きな海外のサッカー選手に、ズラタン・イブラヒモビッチという選手がいます。今は年を重ねた結果、ヨーロッパの第一線からは離れていますが、メッシやロナウドと並ぶほどの超一流選手です。


イブラヒモビッチ選手は、自伝の中で「良いプレーをするには、怒り狂わないといけない」と語っています。「怒り」も使いようなんですね。


「嫉妬」という感情については、怒りよりもよりネガティブな印象がありました。嫉妬という感情を見ないようにしていたふしもあったように思います。


しかし、嫉妬にも勿論メリットがあります。まず、嫉妬は自分の願いを教えてくれる役目を果たします。自分のやりたいことが分からない場合、嫉妬している対象の中に、自分の望んでいるものが隠れているかもしれません。


そして、嫉妬も「負けたくない」と思うことでエネルギーになります。


「怒り」と「嫉妬」のメリットについて書いてみましたが、どちらもデメリットになってしまう場合があるのは、皆さんも十分にご存知でしょう。


「期待」「怒り」「嫉妬」以外にも、様々な感情がありますが、どれも一長一短で、表裏一体です。


特定の感情を嫌うのではなく、上手に付き合っていくのが良いのではないでしょうか。


書きながら思うことが出てきたので、少し話が長くなってしまいました。次回は、期待することが良しとされなくなった背景について、私なりに思うことを書かせていただきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。
 

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所属カウンセラーの清田直芳です。


普段生活をしていて、不安を良く感じるタイプの方がいらっしゃいます。


周りの人と比較して、「どうして、私は周りの人よりも不安になりやすいんだろう?」と悩んでしまう方もいるかもしれませんね。


確かに頻繁に不安な気持ちになるよりも、あっけらかんとしていて前向きな人の方が、幸福度は高いかもしれません。


しかし、だからと言って不安という感情が良くないという訳ではありません。むしろ、不安という感情があったからこそ、人類はこれまで生き残ってこれました。


元々、日本人は不安に感じやすいタイプの人が多くいると言われています。不安遺伝子という、不安に感じやすい遺伝子が多く、世界一不安を感じやすい国民という話まであるそうです。


何故、そこまで不安に感じる人が多いのでしょうか?


それは、日本という国では不安じゃないと生き残る確率が低かったからです。少し過激な言い方をすれば、ポジティブな人は死んでしまいやすいということですね。


これこそが、不安の最も大切な役目。不安は危険を事前に察知する、警報装置の役目をしています。


日本は自然災害の多い国です。地震、火山、台風など、被害がなかった年なんてほとんどないのではないでしょうか。


そんな災害の多い国で、

「台風が来るかも?何とかなるでしょ!」

「地震? 大丈夫大丈夫♫」

「噴火だって? 知らねーよ笑」

みたいな人ばかりだったら、どうなると思いますか?


きっと、逃げるのが遅れたり、準備を怠ったりで、生き残ることが出来なかったはずです。


上に書いたのは一つの説ですが、いずれにしても不安に感じやすい人の方が、生き残る確率が高かったということは間違いありません。


先天的に痛みを感じない人がいますが、そのような人たちは例外なく早死にしてしまうそうです。


不安も痛みと一緒で、危険を察知して教えてくれています。


そして、人は不安があるから、それを回避しようと一緒懸命に頑張ります。


不安が強過ぎることで、エネルギーが湧かなくなってしまったり、やるべきことができなかったりするのは問題ですが、強過ぎが良くないのはポジティブ思考も一緒です。


不安を感じた時、それを否定するのではなく、「危険を教えてくれているんだな」と不安という感情を受け入れてあげてください。


不安は危険を教えるのが役目ですから、不安を受け入れてしまえば、不安は和らぎます。


そして、その不安に合理性があれば、具体的な対策をします。


例えば、初めて行った外国のスラム街で、「これは、何となくやばそうだなー」と不安を感じるのは大切ですよね。


大した目的もないのに、不安な気持ちを無視して「怖くない。怖くない」とそのまま進んでしまって、事件に巻き込まれてしまうリスクよりも、スラム街から離れる方が合理的でしょう。


合理性がないのであれば、ただ受け入れて気持ちを開放しましょう。


これは、過度な高所恐怖症などがそれにあたるでしょう。吊り橋などは、合理的に考えれば安全な確率の方が高いはずです。


しかし、過去の体験が影響して、渡らなければいけない吊り橋を渡れないのは、生活に悪影響を及ぼします。


不安な感情は大切な皆さんを守ってくれています。不安な気持ちを否定せず、ぜひ感謝して受け入れてあげてください。


今日は不安の最も大切な役目である、危険への警報装置ということについて書かせていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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