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所属カウンセラーの清田直芳です。


今回も第2回Value creation room心理学セミナー「人生を幸せに過ごすための『笑い』と『遊び』」でお話した内容について書いていきたいと思います。


ちなみに、セミナーに参加された方のご感想はこちらです。


2回目の心理学セミナーを開催しました♫


今回は笑いの力で心の傷を癒す方法について書いていきます。


まず、心の傷を癒すために必要な要素について見てみましょう。

心の傷を癒すには、


・回避をしない

・客観的に見る


この2つが重要になります。


まず、「回避をしない」ですが、悲しみ、恐れ、寂しさ、失望などなど、感じることに抵抗のある感情ってありますよね。


しかし、この感情をしっかりと感じることをせずに回避してしまっていては、癒されることはありません。


例えば、お葬式の一つの役割は、残された人がしっかりと悲しめるようにすることです。泣いたらスッキリするのも、しっかりと悲しみを感じているからなんですね。


行動においても、高所恐怖症の人が高い所を避け続けていても、高所恐怖症が治ることはありません。実際にでも、イメージの中ででも高い所を体験する必要があります。


次に「客観的に見る」ですが、問題から距離を取ること、これを心理の世界では自己距離化と言います。


自分を俯瞰してみるメタ認知と同じような考えと捉えていただいて良いと思います。


何かネガティブなことが起こった時、そこで考えたことは事実とは限りません。しかし、感情に飲み込まれてしまうと、その思考が事実だと勘違いしてしまいます。


その結果、冷静な行動が取れなくなったり、望ましくない考えが定着してしまったりするおそれがあります。


台風が吹き荒れる屋外で必死に立っているのではなく、安全な屋内から台風が吹き荒れる外を眺めているようなイメージで、客観的に物事を見ることが大切です。


それでは、本題の笑いで心の傷を癒すということに入っていきましょう。


人が笑えたり、面白いと思えたりするのはどういう状況かと言うと、

「普通ではないことが分かっていて、普通とのズレが理解できている」

ということです。


例えば、これから会社の出張で新幹線に乗ろうと思っている男性がいたとします。出発までの時間が差し迫っていて、のんびりはしていられません。


改札を通ろうと思い切符を出そうとしますが、ポケットに入れておいたはずの切符がありません。他のポケットを探しても、サイフの中を探しても結果は同じです。


時計を確認すると、もうすぐ新幹線が到着する時間になってしまっています。大事な取引先との商談があるため、絶対に遅れるわけにはいきません。胸が締め付けられ、心臓がドキドキと高鳴ります。


「早く切符を見つけないと!」という一心で、改札前にも関わらず、カバンの中身をひっくり返してしまいました。


書類や手帳、万年筆などが床に転がっています。四つん這いになって必死に探すも、やっぱり切符は見つかりません。


しまいには、着ていたスーツを脱いでバサバサと振ってみたり、靴を脱いでその中を見だしたりし始めました、、、。


切符を見つけようと必死になっている男性からしたら、自分の行動に疑問を持っていないかもしれませんけど、周りで見ている人としたらとても滑稽ですよね。 


危機的な状況に巻き込まれていたら、自分の状況をおかしいと思うことはできません。しかし、この男性も切符が見つかり冷静になった後であれば、自分の行動の滑稽さに気づくはずです。

喜劇王と呼ばれるチャップリンが、
「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」
という名言を残していますが、まさにその通りだと思います。
 


このように、笑える、面白いと思うためには、距離を置いて冷静に物事を見れていることが必要です。


逆に言えば、自分の状況を笑おうと思えば、自然と距離が取れていることになります。


心の傷を癒すためには、


ネガティブな体験を、笑い話に変えることです。


言葉にすることで気持ちが浄化されますし、笑いによりエンドルフィンなどのポジティブな脳内ホルモンも出ますから、ネガティブな体験のイメージも変化するはずです。


これをとても上手くやっているのがお笑い芸人さんです。ネタにして喋っていますけど、もし自分だったらと思うと悲惨な体験がたくさんありますよね。


お笑い芸人さんのように、それがお金になることはないかもしれませんが、ネタにすることで辛い体験が笑える体験になります。


そして、その辛いと思っていた体験が自分も他人も癒し、人間関係を育み、今現在同じような苦しみの中にいる人に勇気を与えます。


すぐにネタにするのはハードルが高いでしょうから、まずは自分で面白い話を組み立ててみてください。


そこから、1人で喋ってみたり、信頼できる人に聞いてもらったりして、少しずつ慣らしていくのがオススメです。


「辛いと思っていたけど、一つネタができたぞ!」と思える日が来ることを心よりお祈りしています。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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