今回も第4回心理学セミナーでお話した内容について書いていきたいと思います。セミナーの様子と、これまで書いた内容を読みたい方はこちらをご覧ください。
前回は、人間関係の土台となる信頼関係を築くために、最も重要なことについて書かせていただきました。
テクニックよりも重要なものは、相手のことを理解したいという気持ちです。
相手を理解し、相手の気持ちを尊重しなければ、たとえ一時的に信頼関係を築くことはできても、長期的にwin-winとなる良好な関係性は築けません。
そもそも、人は他人からコントロールされるのを嫌います。余程、信頼関係がしっかりしていたり、あまり重要でないことであれば、コントロールされても良いと思うかもしれませんが、大抵の場合は人に操られるということを好ましく思うことはないでしょう。
それでは、上に書いたような前提を踏まえた上で、信頼関係を築くのに役立つ方法をお伝えしていきたいと思います。
●人は何度も接触したものに安心する(なれる)
心理学の用語では、『単純接触効果』と呼ばれるものです。
論文などでは、「何度も接触したものを好きになる」と表現されているのを見ますが、そこには違和感があるので、「なれる」という表現をさせていただきます。
人は大昔、小さなコミュニティでのみ生活をしていました。まだ、人類の数がずっと少ない、狩猟採集の時代です。
狩猟採集の時代では、一生を同じコミュニティに暮らす人としか出会わない人が大勢いたはずです。
そのような人が、全く見たことのない人と出会うとどう思うでしょう?
「誰!? こわっ!!」
と思うのではないでしょうか? 今は文明が発達して情報がありますから、初めての人に対して恐怖心はそれほど抱かないかもしれません。
しかし、狩猟採集の時代は情報がありません。侵略者の可能性も高いですから、そう簡単に気を許す訳にはいきませんよね。
今は死の危険性を感じることはないかもしれませんが、
「怖い人じゃないかな?」
「私のことを利用しようとしてない?」
「変なことを言って、地雷を踏まないかな?」
など、初めての人に対しては、気を使ってコミュニケーションを取ると思います。
最初はそのように気を使っていても、段々と回数を重ねていく毎に、「この人といても安心だ」と無意識のレベルでも感じるようになっていきます。
回数を重ねれば、それだけで警戒心は少なくなっていきますから、コミュニケーションを取る中で、お互いの共通点を見出したり、楽しくお話をして好印象を抱いたりして、信頼関係ができてくるのだと思います。
学校や職場など、良く顔を合わす場所で恋愛に発展しやすいのも、この単純接触効果が大きく影響しているのでしょうね。
これを日常の生活でいかすのであれば、意図的に会う回数を増やしたり、自分のことを認識してもらえるように、メッセージを送ったりということが行動になります。
ちなみに、同じ1時間を一緒に過ごすとしても、
1時間×1回よりも、15分×4回の方が効果が高いと言われていますので、それも参考にされてください。
注意点としては、いくら単純接触効果が働いているとはいえ、会う度に嫌な感情を抱かせてしまう要素があったら、信頼関係を築くことはできません。
例えば、良かれと思って「カッコいい!」「可愛いね!」など外見を褒めても、「外見ばかりを見て、中身を見てくれてない」と思って、不快に感じる人もいます。
他には、私の場合あまりメッセージでのやり取りは好きではありません。文字情報だけだと意図があまりに伝わりづらい為、やり取りに疲れてしまうんですね。(ただの伝達事項などの、感情を伴わない場合は別ですが)
ですから、私のようにメッセージでのやり取りに疲れてしまう人に、メッセージを何度も送ってしまうと逆に嫌がられてしまいます。
ですから、相手を理解することが一番大切になる訳です。最初の段階で、そこまで理解するのは難しいでしょうから、相手の反応を見ながらというのが基本になると思います。メッセージでも、乗ってるか乗ってないかは、分かろうと思えば分かると思いますので。
ついでにですが、最初に書いた単純接触効果の「好きになる」に感じる違和感についても、一応書いておこうと思います。
その理由は「人は回数を重ねる度に慣れていく」という原則とズレているからです。「当たり前になっていく」の方がしっくりくるかもしれません。
人でも物でも、出会ったばかりの時は、その人や物への情報は多くありません。一目惚れのように急激に好きになるというのは、多くの場合部分的にですよね。
一目惚れしてものすごく好きになったとしても、その気持ちがずーっと続くことはありません。どれだけ見た目がタイプであっても、だんだんと慣れてきます。それが、当たり前になっていく訳です。
最初に好きになった要素が当たり前になった時、その他の要素で2人の間に信頼関係が結ばれていれば、良好な関係が続くでしょう。しかし、マイナスが多ければ、プラスが当たり前になった時にその関係性は終わります。
もちろん、人間関係にも様々なケースがあるでしょうから、利害関係で長期間繋がっているパターンもあると思いますが、困難な障害が発生したら乗り越えることはできないでしょう。
結局、深い部分で繋がっていなければ、長期的には良好な人間関係は続かないということですね。
今回は、単純接触効果について書かせていただきました。長くなってしまったので、また何回かに分けてその他の方法も書いていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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